政治コラム 太田の政界ぶちかましCOLUMN

NO.207 少子化止まらず、出生数67万人に/若い世代の「所得増」、「共働き・共育て」社会を!

2026年7月 7日

少子化グラフ.jpg少子化が止まらない。この6月、厚生労働省の発表によると、昨年生まれた日本人の子どもの出生数は671236人。女性一人が生涯に産む子どもの推定人数(合計特殊出生率)は1.14で、ともに過去最低を更新した。出生数の最多は団塊の世代を形成する1949年の約2696638人で、1975年以降減少傾向が続くなか2016年に100万人を下回った。その後急速に減少を続け、2024年についに70万人を切った。問題は国の推計より15年も早いペースで少子化が進んでいることだ。2023年に国立社会保障・人口問題研究所が公表した将来推計(中位)では67万人台となるのは2040年頃と予測していたのだ。

「次元の異なる少子化対策」を打ち出した岸田内閣以降、児童手当の拡充など子育て支援策は一定程度進んだが、少子化対策全体への総合対策こそ急務だ。高市政権は「静かな有事」と言いながら新設した「人口戦略会議」も目立った動きが見られず、真正面から取り組む姿勢、危機感が乏しい。熱量ある取り組みを望みたい。

昨年、出生数は前年に比べて1万4937人減少。減少率は2.2%で、5%台で推移していた2022年~24年に比べて若干縮小した。合計特殊出生率は前年に比べて0.01ポイント低下。都道府県別に見ると石川県、香川県など13県で上昇した。最も高かったのは沖縄県で1.52、次いで宮崎県1.46、福井県1.45、最低は東京都の0.96(前年と横ばい)で、北海道、宮城県が1.00。首都圏の千葉県1.07、埼玉県1.06、神奈川県1.05、そして大阪府1.13、愛知県1.20、福岡県1.21となっている。若者の多い大都市圏で低いのが深刻だ。

少子化対策は20236月の岸田内閣が打ち出した「次元の異なる少子化対策」の実現に向けた「こども未来戦略方針」で方向性は明確に出ている。私はその考えに添いつつ、「少子化対策は『非婚』『晩婚』『晩産』『少産』の4つの壁を破れ」と主張した。「非婚」については、若い世代の「所得増加(賃上げ)」と「結婚支援(出会い等)」が要となる。今回の人口動態統計で、婚姻数は2年連続で増加し、489119組で、前年から4027組増えたが、コロナ禍前の水準(19年は約59.9万組)には戻っていない。東京都の合計特殊出生率は横バイだったが、出生数は857人増の85064人となった。東京都は「チルドレンファースト」支援策が功を奏したと言っているが、婚姻数も4%程増えている。婚活イベントの開催やAIを使ったマッチングシステムを2024年度から本格稼働させている。

「非婚」について特に重要なのは、若い世代の「所得増」と「将来の見通しが持てる雇用」だ。「結婚したい」という若者は種々の調査でも多い。「結婚したいができない」という声は、正規職員より非正規の職員・従業員に多い。非正規と正規の格差是正や雇用の正規化に更に力を注ぐこと、そして若い世代の雇用の安定と賃上げへの支援を国全体、社会全体が行うことが最重要だ。奨学金返還の負担が大きいという問題にも具体的政策の前進が望まれる。

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「晩婚」「晩産」の壁は大きい。とくに日本には根強い「仕事か子育てかの二者択一」「出産退職などによる収入低下」の問題がある。重要なのはこれからの日本は「共働き・共育て」社会であるという考えを徹底することだ。現実には、変わりつつあるといえ、男性の育児休業を取りづらい。メアリー・C・ブリントンは著書「縛られる日本人」で、「女性が男性の5倍以上も無償の家事労働を担わなければならないような働き方と家庭内での役割分担を考えること」だと言う。「男性稼ぎ手モデル」から「共働き・共育てモデル」への転換は、日本社会・企業にとって意識転換と具体策が急務だ。ある調査では日本の女性の3割は出産で仕事をやめ、その逸失収入はなんと13000万円になるという。「産後パパ育休」「短時間正社員」など多様な働き方を認め、人材を確保するためにも、国・社会をあげて推進したい。

「晩産」と「少産」――。子育て支援策は少子化対策の重要な柱だ。出産、幼児保育、児童手当、教育支援をはじめ、公明党がとくに長年にわたって努力した政策は、更に進めなければならない。都市部では住宅価格の高騰も目立っている。大都市に若い世代が集中し、その出生率が低いという現状に最近の住宅価格高騰は追い打ちをかけている。分譲価格や家賃が手ごろな住宅の供給や子育て世代の住宅ローンの軽減策は不可欠となっている。

今回の人口動態統計で、東京の出生数が若干増加したり、香川県は出生率、出生数ともに前年を上回った結果が出ている。各自治体の少子化対策、子育て支援策が「効果を上げた」「この流れを確かなものにしたい」と各知事は言う。かつて「消滅可能性都市」と言われた東京・豊島区が反転攻勢をかけ「待機児童ゼロ戦略」「文化都市への転換」に結束して取り組んできたことを地元として実感している。その地方自治体の意欲を国がより強く連携を図り、支援することを切に求めたい。

国も自治体も企業も地域も、少子化対策に強く取り組む姿勢が不可欠だ。とくに国に「異次元の少子化対策」への強い熱量、持続的取り組みを切望する。

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