12日、虎ノ門ヒルズの建設現場と首都高速都心環状線の築地川区間(新富町)を視察しました。いずれも今、都市再生で注目を集めているところです。
虎ノ門ヒルズは、新橋から虎ノ門に至るいわゆるマッカーサー道路(環状2号線)の整備に合わせ、道路の真上に52階建てのビルを一体的に建設しています。この道路は、昭和21年の都市計画決定以来なかなか事業化が進まない状況でしたが、これで道路もまちも一変します。最新の機能と耐震性を兼ね備えたオフィス、ホテル、住宅、そして道路ができれば、東京の国際競争力の向上に大きく寄与します。
まちが変わる。東京都心に躍動感が生まれます。
また、首都高速道路は老朽化が進み、大規模修繕・大規模更新が課題となっており、7900億円~9100億円かかると試算されています。特に、築地川区間は、東京オリンピックに開通を間に合わせる必要があったため、用地買収がいらない川を干上がらせて建設されました。このため、元の川の形が残って急カーブが多い、道路の真ん中に橋脚が残っている、アップダウンもあるなど、老朽化に加えて安全性の観点からも更新が必要です。
この半地下部分にフタをしてその上部を「空中権」として周辺のビルに売却すれば、首都高速の老朽化対策、更新費用に充てることができます。周辺のビルも建て替えが容易になり、まちの景色が変わります。
このように、首都高速の老朽化対策と空中権を使った都市再生を一緒に行うのは、非常に有効な仕組みです。できるだけ早く具体化できるよう、頑張ります。
11日朝、首相官邸において、第2回「観光立国推進閣僚会議」が開催され、「アクションプラン」が取りまとめられました。観光は私の所管です。
我が国には、素晴らしい自然、文化、歴史、料理など、世界の人々に自信をもって勧められる観光資源があります。これを活かし、史上初めて訪日外国人旅行者数1,000万人を達成し、さらには、2,000万人の高みを目指す意欲的な取り組みです。
具体的には、
①日本ブランドをつくり、発信強化
②ビザ要件の緩和等による訪日旅行を推進
③観光地における多言語対応の強化など、外国人旅行者の受け入れの改善
④国際会議(MICE)の誘致体制の構築
などが柱です。
注目のビザ要件の緩和については、タイ及びマレーシアのビザの免除、ベトナム及びフィリピンの数次ビザ化、インドネシアの数次ビザの滞在期間延長を実施することになりました。画期的な内容だと思います。大事なのは実行です。
「クールジャパン戦略」と合わせて、観光立国の実現を目指して頑張ります。
「もっともっと鉄道にも、車両にも、そして公共交通にマタニティマークを」――。私はそう思い、動いてきましたが、7日午後、東京駅前で、JR東日本など12の鉄道事業者が集まり、鉄道事業におけるマタニティマークの普及促進セレモニーが行われました。これは、「マタニティマークを付けていても、電車の優先席をなかなか譲ってもらえない」という声が鉄道事業者に寄せられているため、さらなる普及促進を目的としたものです。
昨日のこのイベントには、全国でバラバラだったマークを7年前に統一するのに尽力した松あきら参議院議員と、マークの普及アンバサダーに任命された女優の伊藤裕子さんも出席してくれました。
このマタニティマークの普及については、4月7日に常磐自動車道の守谷サービスエリアで、駐車スペースにマタニティマークを設置する会合が開かれ、私も出席しましたが、それを機に、4月、5月の2か月間で全国806カ所全ての高速道路のサービスエリアでマークの設置が完了しました。
妊婦さんが電車を利用する際、お腹のまだ小さい妊娠初期も、お腹が大きくなった妊娠後期も、体への負担を軽減するためには席に座るのが、妊婦さんにも赤ちゃんにも安心につながります。
この日、一児の母親でもある伊藤裕子さんからは、「まだお腹の小さい妊娠初期に、席を譲ってほしいとなかなか言いづらかったので、マークを付けて気持ちよく席を譲ってもらって助かった」という経験をお話しいただきました。
社会全体で妊婦さんと赤ちゃんを支え、愛情を持って見守っていく、そのための意識づくりの取り組みを、絶えず進めていきたいと思います。
「地域の守りは、我々の手で」――2日、王子消防団、西新井消防団の消防操法大会がそれぞれ行われ、日頃の訓練の成果を示しました。「首都直下地震、南海トラフ等の大地震の切迫が懸念され、梅雨に入って水害への備えが必要となっている今、日頃からの消防団の御尽力に感謝します」と挨拶をしました。1日の土曜日は、晴天に恵まれ、小学校の運動会が北区、足立区で多く開催されました。元気な生徒さんを撮るカメラの放列。すごいものでした。たくさん懇談ができました。
5月30日、社会資本整備審議会と交通政策審議会が合同で検討していた「社会資本の維持管理・更新のあり方」について、中間報告を受け取りました。「今年はメンテナンス元年だ」と私は言い続けていますが、その具体的な中身についての重要な提言です。
構造物の老朽化対策、メンテナンスが大きな課題となっているなか、国だけでなく地方公共団体の管理する橋梁やトンネルの維持管理のあり方。また、技術革新や人材育成、調査結果などの情報蓄積などについて、戦略的な考え方をまとめていただきました。
「ただちに現場で役立ち、展開できる生きた提言にしたい。ピカ一のメンテナンスマンにも光を」「構造物だけでなく河川など自然公物のメンテナンスも対象に考えるべきだ」と、提言に携わった福岡捷二・社会資本整備審議会長、家田仁・社会資本メンテナンス小委員会委員長から、意欲的発言が続きました。しっかり取り組む決意です。