10月18日、ノーベル賞を受賞された京都大学iPS細胞研究所の山中伸弥教授が、さい帯血国際患者支援の会の有田美智世理事長とともに、公明党再生医療PTに御多忙のなかで出席してくださいました。「iPS細胞研究の進展」と題しての講演でした。また講演に先立ち懇談することができました。
「2007年、ヒトiPS細胞樹立の時、政府の迅速な支援によってここまでくることができた」「今年、造血幹細胞移植提供推進法を成立させていただいた」と冒頭、丁寧な感謝の言葉があり、誠実な姿勢に感銘いたしました。
そして、「iPS細胞とは」「iPS細胞の特徴」「血液や皮膚の細胞からiPS細胞をつくり、それが、神経細胞がパーキンソン病に、網膜、角膜細胞が眼疾患に、心筋細胞が心疾患に、神経幹細胞が脊髄損傷に、血小板が血液疾患に、画期的な再生医療となる」「その再生医療にはiPS細胞ストックが大切」「白血病の治療に必要な、さい帯血からは良質なiPS細胞がつくられる。保存から10年で廃棄されてしまうが、このさい帯血という宝の山をiPS細胞という形で患者さんのために使えないかと思っている。再同意の課題、iPS細胞ストックに関する指針の整備など、具体的な課題解決に協力してほしい」「iPS細胞の研究で、今は世界のトップを走っているが、待っている人のこと、世界競争のなかにあることなどを考えると、一刻も早く移植可能なレベルのiPS細胞を実現したいと焦りにも似た気持ちだ」などと、語ってくれました。懇談のなかで山中教授は「2007年11月のヒト細胞樹立の時は、すぐ支援をしていただいた」と語っていましたが、当時は自公政権。じつはこの支援には歴史があります。
山中教授が、受賞の決め手となった論文が出されたのは2006年8月。ヒトiPS細胞の樹立は2007年ですが、国として「再生医療研究」に予算がつけられたのは2003年。その後6年間で3億円(年5000万円)というものでした。
2008年度でこれは終了。世界から山中教授に「是非来てください。研究費も出します」と、いわば引き抜きが始まっていた時でした。自公政権では、「経済財政諮問会議」と「総合科学技術会議」を戦略の2本柱としており、「総合科学技術会議」は、日本の未来のために「選択と集中」――まさに先端技術開発に力を入れようとしており、私たち公明党はその推進力となっていました。
2008年、「2003年度~2008年度の6年間で3億円」だったものを、この年から一気に毎年45億円以上。さらにiPS研究所をつくることを決定。さらに2009年には、山中教授のチームに今後5年間で100億円規模を、それに加えることを決めました。懇談のなかで語っている国の支援の加速です。私自身、「この山中教授の研究を日本から流出させてはならない」と主張した経緯があり、自公政権時代に財政難にもかかわらず、この科学技術振興費だけは常に増やし続けてきたというのが実状です。
2009年9月、民主党政権となり、科学技術予算は容赦なく事業仕分けの対象となってしまいます。あの、スーパーコンピューターで「2番ではダメですか」という言葉を想起する人も多いと思います。山中教授のプロジェクトも100億円規模が50億円に削られるという残念な結果となりました。それだけではなく自公政権(麻生)の時の2009年度補正予算で「最先端研究開発プログラム」を創設して集中的に力を入れ、山中教授の研究チームも含む2700億円の予算としましたが、それを民主党政権では1000億円に大幅減額してしまったのです。
この日の講演と懇談を通じて、世界の激しい競争のなか、さらにさらに、オールジャパン体制で世界に先駆けての再生医療の実現に国はもちろんのこと、いろいろなレベルでの幅広い支援が大切であることを痛感、決意をしました。
頑張ります。
10月8日は体育の日。秋晴れの青空のもと、北区民体育大会開会式やナショナルトレーニングセンターでの「スポーツ祭り2012」、幼稚園の運動会など、多くの行事が行われました。文科省の調査によると、小中学生や高校生で長年低下していた「走る」「投げる」「跳ぶ」といった基礎的な運動能力に回復傾向がみられるものの、ピークであった1985年当時に比べると、なお低い水準にあるといいます。「長寿」といい「子育て」といっても、社会保障的観点だけでなく、日頃からの運動や食生活等の習慣が大切です。ナショナルトレセンでの昨日のスポーツ祭りはロンドン五輪のメダリストも多数参加、地域の人や子どもたちとの交流が行われ、心身ともに元気がみなぎる行事となりました。素晴らしいことです。
昨年、国ではスポーツ基本法が成立、また地域での総合スポーツクラブの育成、ナショナルトレセンの充実なども図られていますが、もっともっとスポーツ環境の整備が重要です。私も一層力を入れる決意です。この3連休は気候不順ではありましたが、ふるさと北区区民まつり、祭り、カラオケ大会など多彩な行事が催されました。
しっかり頑張ります。
長く厳しい残暑も終わり、秋めいてきました。地域ではスポーツの秋、文化の秋の諸行事が始まりました。強い台風が直撃した月末となりましたが、29日、30日の土日、運動会、凧あげ、ふれあい文化祭、防災訓練、コンサートなど、多彩な行事が催されました。子どもたちの元気な声が青空に響きました。文化・芸術は人の心を豊かにするもの。ストレスも多いハードな社会では、ますます大切になります。約10年前には、「文化芸術基本法」の制定に力を注ぎ、21世紀は文化・芸術の世紀を主張しましたが、更に伝統文化を含め、しっかりバックアップしたいと思っています。
防災訓練は従来のものを越えて、マンション独自の対策が工夫されたり、町会で地域や学校等の備蓄などの使い方の役割分担を具体的に訓練したり、きわめて重要な訓練が行われていました。自助、共助、公助、そして近助――人の絆を結ぶ地道な地域行事や訓練はとても大切です。御尽力に感謝します。しっかり頑張ります。
すっかり秋めいてまいりましたが、今年7月、九州北部を襲った豪雨で河川の堤防決壊や氾濫が相次いだのは、記憶に新しいところです。これを受けて、河川の堤防について国土交通省による全国的な緊急点検が行われ、その結果が先日、発表されました。
実は、この内容が、私の地元である北区・足立区をはじめ、荒川下流域にとっては深刻なものでした。点検した左右両岸のうち75%にあたる33.7kmで強度や高さが不足。対策が必要と判断されたのです。
さらに、増水が続いて堤防内の土に水がしみ込み決壊する「浸透決壊」の発生も、そのうち6.5kmで懸念されています。
九州北部豪雨では、河川の水が堤防からあふれる「越水」や、河川の流れで堤防が削り取られる「浸食」に加えて、この「浸透」による堤防決壊で甚大な被害が発生しました。荒川でも対策が急務です。
そこで、私は昨日26日、国土交通省に羽田雄一郎国交大臣を訪ね、「台風や豪雨、大震災に備えた防災・減災対策の具体論を提起し、予算をつけていくべきだ」と、河川などの防災・減災対策を申し入れました。
具体的には、荒川・利根川をはじめとする全国の河川の万全な堤防強化策をはじめ、住民の生命を守るスーパー堤防の地元住民や自治体の要望を十分に踏まえた整備促進、堤防や水門の耐震性強化、住民が的確に避難できるハザードマップの作成と情報提供体制の確立などを求めました。これに対して羽田国交大臣は、防災・減災対策について「一般の公共事業とは別枠で考えていかなければならない」と語り、「緊急性や人口の密集状況を把握し、選択と集中の観点でしっかり取り組みたい」との回答がありました。
荒川流域は人口が密集しており、国交省によれば、堤防決壊によって想定される最大氾濫区域内の一般資産額は、約142兆円と算出されています。実際に水害が発生した際の被害総額は数十兆円にのぼるでしょう。
国民の生命を守るためにも、資産を守るためにも、さらには首都機能を維持するためにも、荒川の堤防強化は喫緊かつ最重要の課題。一日も早く推進されるよう、今後も尽力してまいります。