25日、横浜で第5回日中韓物流大臣会合を開催しました。日中韓物流大臣会合は、2006年以来、2年に一度、3か国の持ち回りで開催されています。日中韓3か国は、GDPの合計や貿易総額が世界全体の1/5を占めるなど世界経済のなかでの重要性を増しており、経済活動を支える物流分野での連携をいっそう強化する必要があります。
今回の会議では私が議長を務め、韓国からは李柱栄(イ・ジュヨン)海洋水産部長官、中国からは周海涛(ジョウ・ハイトウ)交通運輸部総工程師が代表として出席しました。
会議のテーマは「シームレス物流システムの実現」「環境にやさしい物流の構築」「安全かつ効率的な物流の両立」の3つです。このテーマの具体化として、①シャーシの相互通行のパイロット事業の拡大②標準化された物流機材(パレット)の普及促進③物流情報ネットワークシステム(ニールネット)の対象港湾の拡大④北極海航路開拓に係る協調の枠組み(情報共有)の構築⑤海上輸送の安全の確保に関する協力⑥大気汚染物質の削減に向けた協力――などについて合意し、共同声明(横浜宣言)として発表しました。日中韓の連携がいっそう強化されることになります。
また、会議終了後、李柱栄海洋水産部長官と2国間会談を行いました。会談では、クルーズ船の振興、内航船舶の安全対策などについて詰めた議論を行い、連携を強化していくことで合意しました。2国間の物流分野の連携強化だけでなく、全般的な関係改善に向け、意義のある会談ができました。
会議だけでなく、フォーラム、レセプションまで全力で支援していただいた林文子市長をはじめとする横浜市の皆様に心から感謝します。
8月21日、集中豪雨により甚大な被害を受けた広島市の土砂災害現場に行きました。今は何より救命・救助が大事。国交省では全国からリエゾン(災害対策現地情報連絡員)やTEC-FORCE(緊急災害対策派遣隊)を派遣して全力を挙げて取り組んでいます。
まずヘリコプターで上空から被害の全体像を確認。山の斜面があちこちで崩れて沢を土石流が流れ下り、住宅地を襲っていました。
そしてその後、安佐南区八木地区と安佐北区可部東地区の現場に入りました。依然として坂道を水が流れ、山からの石や土が積もった中で懸命の救助活動や土砂の除去が続けられています。
想像を絶する異常な雨が各地を襲う現状にしっかり手を打たなければなりません。そして被害を受けた方々が1日でも早く安心して生活できるよう、さまざまな対策が必要です。今後の対応について地方整備局や湯崎英彦知事と打ち合わせをしました。
救命・救助、そして被災地の復旧のために全力で取り組みます。
マレーシアに引き続き、14日から16日までカンボジアを訪問しました。
カンボジアは成長著しい大の親日国。我が国は最大の支援国です。
フン・セン首相、トラム公共事業運輸大臣、タオン観光大臣、マオ民間航空庁長官と連続して会談を行いました。
フン・セン首相とは、2国間関係全般について幅広く意見交換しました。はじめに「政治的・経済的に大変苦しい時には日本にいつも助けていただいた」と心からの謝意が述べられました。個別の分野では、とくに友好の象徴である「日本橋」の改修などの協力を引き続き求められました。また、今秋の2国間の直行便の開設は、2国間関係の強化に向け大きな意義があるとの認識で一致しました。さらに、70年代後半のポル・ポト政権の大虐殺、内戦、その後の市場経済への移行に伴う国内外の調整など、現在の発展に至るまでの数々の苦難についても、じっくりと話を伺うことができました。
閣僚との会談では、インフラ整備の推進や自動車検査登録システムの改善、航空管制の高度化、観光交流促進などについて議論を行い、交通インフラ、航空、観光の3分野で、今後の協力関係強化に関する協議議事録に署名しました。
現在ODAで日本が建設しているネアックルン橋の工事現場を猛烈な暑さのなか視察しました(現在、1号線は国道でありながら、メコン河を渡る橋がなく、フェリーでは7時間待たされることもあります)。これは、メコン河の水深25mの軟弱地盤に全長5.4kmの橋梁と道路を建設する巨大工事で、日本の優れた技術が活用されています。
また、アンコール遺跡群も訪問し、観光大臣と懇談しました。カンボジアは観光に力を入れ、日本人の受け入れのため、380人の日本語ガイドを配置するほどの力の入れようです。上智大学、早稲田大学などの日本関係者が施設の修復・保全に協力しており、その貢献に感動しました。
国土交通大臣がカンボジアを訪問するのは初めてのこと。次から次へと要望を受け、期待の大きさを実感しました。
8月13日、14日にマレーシアを訪問し、マレーシア・シンガポール間の高速鉄道計画や道路行政などにおける協力について関係閣僚等と会談しました。
マレーシアは2020年に先進国入りをめざし、発展著しい親日の重要な国です。
高速鉄道について、13日には、リオ運輸大臣、ワヒド首相府大臣と、14日は、サイド・ハミド陸上公共交通委員会議長と会談しました。
とくに、直接的に計画を担当しているワヒド大臣とサイド・ハミド議長とは、関係企業も伴って会談を行い、日本の新幹線が安全で技術水準がきわめて高いこと、そして官民一体となって取り組んでいる姿勢を示し、我が国の意気込みを伝えることができました。また、ファイナンスや人材などについての日本側の支援体制に対するマレーシア政府の理解を深めることができました。
道路関係については、14日、ファディラ公共事業大臣と会談しました。次世代のETC導入に関する相互協力、老朽化が進むインフラの維持管理など、道路分野全般の協力関係を促進することで一致しました。
8月6日と7日の二日間、「子ども霞が関見学デー」が行われ、国土交通省でも、ショベルカーをはじめさまざまな展示コーナーが夏休み中の多くの子どもたちで賑わいました。7日には「国土交通大臣とおはなししよう」という場を開催。大臣室に13人の小中学生(遠くは仙台市や新潟県見附市、奈良県橿原市から参加)とその保護者の方をお招きして懇談しました。
大臣室にある日本の立体地図を使って地震や津波の仕組みなどを説明し、国土交通省の仕事内容を子どもたちに紹介。「大臣への質問コーナー」になると、元気よく一斉に手が挙がりました。
「大臣になって一番大変だったことは何ですか」「僕は鉄道が好きですが、大臣は小学生の時は何が好きでしたか。」といったことから、「海で船が迷子になったらどうすればいいのですか」「家族で出かけることが多いので、高速道路の料金がもっと安くなればうれしいです」「羽田空港はこれからどうなりますか」「道路をつくる時に木を切ったりすると、自然破壊になりませんか」「道路や空港などをつくるためのお金はいくらぐらいですか」「これから東北の復興をどう進めますか」「僕は群馬県前橋市から来ましたが、八ツ場ダムはいつ完成しますか」など、幅広い質問が続きました。
乗り物などを通じて国土交通省の仕事は子どもたちにも身近で関心が深いようです。陸海空にわたる幅広い国土交通省の仕事や行政の仕組みについて、理解を深めてもらういい機会になったと思います。元気な子どもたちと楽しいふれあいができました。